雷蔵の本棚

いらっしゃいまし、ここは僕が今までに出会った小説、エッセイ、その他書籍を、ワッセ、ワッセとただただ紹介するページです。

歴史小説から官能小説、そこそこ本から読まずに死ねるか本まで、独断と偏見に基づいてドシドシ紹介。

「ちょうど何か一冊読みたかったんや!」と、今頭の中にチラッと考えが過ぎったあなた!そんなあなたの参考になれれば幸いです。

尚、この書評はその本に対する僕自身の思い入れに終始しており、内容には触れていないものがほとんどです、役立たずっ!

ですから、あらすじが知りたいんだと言う方は、ネットの海に点在してる他の書評サイトを覗きに行ってくださいね、どーぞ どーぞ。

無人島に持っていくならこの三冊 中 高生に読んでほしい作品 爆 笑必至!電車では読めない本
やめられない、とまらない本 大人も読みたい傑作児童書 しみじみ昭和な本
エロいのだって大好き!な本 男が背中で語る本 どっぷり歴史時代小説
庶民派時代小説も捨て難いぞ! 少しだけ元気を くれる本


無 人島に持っていくならこの本だ! 著   者 書           評
始祖鳥記 飯嶋和一 小説家ではなく職人と呼びたい飯嶋和一さんの作品は絶品の一言に尽きる。中でも、著者自身がこの作品を描くために自分は 小説家になったのだと言わしめた『始祖鳥記』は、頭一つ抜けた彼の代表作と言える。日本人必読の一冊、イチオシ。
ねじまき鳥
クロニク
村上春樹
熱狂的なファンではないが、確かに村上春樹の作品には人を引きつける何かがあると思う。特にこの作品は僕の琴線に触れ た、そう激しく震わした。難しいと敬遠せずにぜひ手にとってほしい一冊。
しみじみ昭和な三冊項羽と劉邦 司馬遼太郎 三国志もいいけれど、水滸伝もいいけれど、中国の歴史小説の中なら僕は、断然この作品が好きだ。魅力的な人物が沢山登場 する人間の見本市会場。自分に似た登場人物を探してみるのもまた面白い。何度読んで新しい発見がある一冊。


中 高生に読んでほしい作品 著  者 書     評
夜のピクニック 恩田 睦 何度も読み返したくなるほろにがいストーリー。ただただ歩くだけの単純な物語なのに、どうしてこんなに引き込まれるのだ ろう。まったくもって、なんともはや、恐るべし恩田睦。読まなきゃ損な一冊。
GO 金城一紀 直木賞受賞作。映画も確か窪塚君主演で賞をそうなめしてましたっけ!と、とにかくオヤジがいい!凄くいい味だしてます。 金城さんの作品にハズレはないが、とりあえずこの作品は押さえるべし。
一瞬の
風になれ
佐藤多佳子 僕はオッサンになってからめぐり合ったが、できれば高校生ぐらい時に読みたかったなぁとつくづくそう思った作品。陸上の リレー競技を通して成長する青春群像。これこそは秀作、見逃すな!


爆 笑必至!電車では読めない本 著  者 書   評
私の旅に
何をする
宮田珠己 旅をしたいからという理由だけで、ついにはサラリーマンまで辞めてしまった、そんな著者の痛快傑作旅のエッセー。ビッグ マイナー作家宮田珠己を見逃すな!
さらば
国分寺書店の
オババ
椎名 誠 椎名誠さん初期のエッセイ。時代を感じる内容ですが、決して色あせてはおりません。昭和軽薄体と呼ばれた独特の文体でエ ネルギッシュに描かれたよしなしごとはなんとも味がある、たまらん!
町長選挙 奥田英朗 とんでも精神科医伊良部のシリーズ第三弾!直木賞を受賞した二作目『空中ブランコ』をさらに凌ぐはじけっぷりは見事の一 言。脂が乗り切っているここ数年の奥田作品は見逃せないぞ!


やめられない、とまらない本 著  者 書  評
虎口からの
脱出
景山民夫 冒険小説の第一人者と言えばキャビン・ライアルだが、日本の作家だってドッコイ負けちゃいない。『深夜プラス1』を髣髴 させるカーチェイスに始まる手に汗握るストーリーはまさに圧巻。
奪取 真保裕一 この作品が世に出て後、作中のATM襲撃を真似た事件が頻発したとか、偽札が出回ったとかまことしやかに囁かれた。偽造 紙幣を題材にしたノンストップミステリー。頁をめくる手が止まらない。
ゴールデン
スランバー
伊坂幸太郎 散りばめられたハズルのピースが、ラストに向かってパチリパチリとはめ込まれ完成にむかって走り出すような、そんな緻密 でそれでいてスピーディーなミステリー大作。これぞ伊坂幸太郎の真骨頂!


大 人も読みたい傑作児童書 著  者 書  評
カラフル 森絵都 森絵都という作家に始めて出会ったのがこの作品だった。たちまち僕は一目惚れ、いや一読惚れしてしまった。ともかくあの 日以来僕は森さんを追いつづけている。鮮明に彩りが目の前に広がります!
精霊の守り人 高橋菜穂子 ハリポタやナルニア国で大騒ぎする前に、日本人ならもっと読むべきファンタジーがあるじゃないか!翻訳せずとも読めるこ んなに上質な物語がここにあるじゃないか!シリーズ文庫本じりじり発売中。
誰も知らない
小さな国
佐藤さとる 僕を読書の世界に誘ってくれた大切な一冊。少年は大人になり、世の中は移り変わっていくが、それでも変わらぬものがこの 世にはあるのだと、幼い僕はこの物語に教わった。


し みじみ昭和な本 著  者 書  評
人間万事
塞翁が丙午
青島幸男 すっかり世間から忘れ去られている前都知事青島さんの直木賞受賞作は、貧しく苦しい戦後のどさくさを、それでも前向きに 生きた下町の弁当屋一家の人情物語。かつての日本がここにある。
私の大阪八景 田辺聖子 幼い頃の田辺女史が頁狭しと駆け回ります。戦中戦後の懐かしき日本を舞台に、独特のユーモアーが散りばめられ物語りは進 む。ただ時折チラチラと彼女のカバのような愛らしいお顔が思い出されるのが難。
モッキンポット氏の後始末 井上ひさし モッキンポット氏とは何者か?答え神父である。問題ばかりおこす貧乏学生とその尻拭いをする神父の物語、著者の自伝的小 説。続編『モッキンポッ ト氏ふたたび』もあわせて読んでください。


エ ロいのだって大好き!な本 著 者 書  評
愛妻物語 重松清 今、日本で泣かせる作家は誰だと聞けば間違いなく出てくる名前、それが重松清。しかし先日、いつもどおり少しだけ元気が もらえる家族愛の小説かと手を出したこれは、直球エロ小説でした。
ニート 絲山秋子 絲山さんと言えは恋愛小説の第一人者で押しも押されもせぬ芥川賞作家である。しかし時にはこんなアブノーマルなモノも描 く。短編集『ニート』のラスト「愛なんていらねー」は久々にぶっとんだぜ!
ララピポ 奥田英朗 エロと言うよりも下ネタ一直線って感じの本作品、映画化されたと聞いたがどこまで映像化できたのかが非常に気になるとこ ろだ。絡み合う短編が転がり続けてゆく、その行き先は・・・


男 が背中で語る本 著  者 書  評
壬生義士伝 浅田次郎 直木賞受賞の前後から週刊文春に連載がはじまった本作品は、ある意味脂が一番乗っている浅田作品と言っても過言ではな い。あまりにもメジャーだがやはりこの背中ははずせないぞで堂々ランキング
ひまわりの
祝祭
藤原伊織 惜しまれながら昨年世を去った藤原さんは、その生き方までもがハードボイルドだった。W受賞した『テロリストのパラソ ル』は圧巻だが、ファン・ゴッホの「ひまわり」をからめたこの作品も実いい、お勧めです!
のぼうの城 和田竜 主人公でくのぼうと呼ばれる殿様を筆頭に、この物語に登場する男たちは敵味方誰もが個性的で愛しくって、そして素敵な背 中を持っている。戦国の世の小さな城の攻防戦だが魅力はてんこ盛り!とにかく読むべし!


どっぷり歴史時代小説 著 者 書   評
影武者
徳川家康
隆慶一郎 時代小説を語る上でこの作品は絶対に外せない。関が原以降の家康が、実は影武者だったという大胆な仮説に基づきながら、 それでいて実に緻密でリアルかつ大胆で魅力的に描ききっている。絶品!
真田太平記 池波正太郎 武田も伊達も長曽我部もどいつもイイ男だけれど、やっぱり真田は一味違うぜ!池波さんの長編ご存知真田太平記、武将が唸 り、忍びが駆け、あっという間の十二巻、ぜひお試しあれ!
島津奔る 池宮 彰一郎 前の二作品に比べるとやや小物と言われそうだが、どっこいこの作品も面白い!戦国の世にひときは輝きを放った島津軍の活 躍、読んで損はない傑作戦国時代小説ここに推参!


庶 民派時代小説も捨て難いぞ! 著 者 書 評
無事、
これ名馬
宇江佐真理 弱虫で泣き虫の武家の少年は火消しの頭領に弟子入りを志願した。宇佐江さんは僕の贔屓の作家である。そんな宇佐江さんの 作品の中でもこの一冊は一二のデキだと思っている、是非読むべし!
夏雲あがれ 宮本昌孝 藤沢周平さんの名作『蝉しぐれ』を彷彿させる良作。青年藩士が迷いながら成長していく様が爽やかに描かれている。シリー ズ前作『藩校早春賦』と合わせて読むとさらに吉。
蒼 龍 山本一力 精力的に時代小説を生み出す山本一力さんの初期の短編集。最近の作品と比べると少々荒削りかもしれないが、この短編集に はそれを補ってあまりあるエネルギーがあふれている。お勧め!


少 しだけ元気をくれる本 著 者 書 評
チルドレン 伊坂幸太郎 「〜そう、俺たちは奇跡を起こすんだ。」秀作だらけの伊坂作品の中でも僕は断然この作品を押す、そしてこの作品で助演男 優賞の働きを見せる陣内のこの台詞が、トリハダが立つほど大好きだ!
東京
バンドワゴン
小路幸也 四世帯同居の古本屋「東京バンドワゴン」で展開されるにぎやかな毎日。合言葉は「LOVEだねぇ〜」古き良きアットホー ムドラマを髣髴させる好評のシリーズ。買って損なし、ぜったいハマる!
プリズンホテル 浅田次郎 全四巻。正統派や○ざの親分が経営する田舎のホテルで起こる涙アリ笑いアリのどたばた劇。しかもクサい、しかしそのクサ さが癖になること請け合い。浅田さんのピカレスク小説はとにかく元気が出る。